久しぶりにサンスベリアが腐食したので

久しぶりに在庫のサンスベリアに腐食が見られたので、その対処をしていこうかなと思います。

葉の1〜3枚目の付け根が腐食しています。

 

ここで原因を考えてみる

1.葉と葉の間に水が溜まって腐食した

2.葉と葉の間にコナカイガラムシが沸き、その糞が蓄積して腐食した。

3.肥料、薬害など

4.根腐れからの立ち腐れ(手遅れ)

5.病気

 

1は滅多にないですが、当店は300〜400株程度在庫があるので起きることは可能性としてあります。

特にこの季節はシャワーで頭から水をかけるので、特にありうる話です。

ただこの水溜まりによる腐り方は斑入り(特に派手斑)に多いんじゃないかと思います。

 

2はこれは実際にあった事例なんですが、

アンヤマニーから直入れした大型のチャオプラヤの葉と葉の間の付け根部分にコナカイガラムシが湧いて

精密ピンセットやら綿棒やら薬やらを使い駆除したんですが、駆除しきれていなかったらしく

1年後くらいに糞が溜まってこのような腐り方をしたことがあります。

ただこれも、大型のサンスベリアなどコナカイガラムシが見つけにくいものはなるかもしれませんが、このサイズなら気づくのでこれではないですね。

 

3は一番可能性が高いです。

うちはオルトランをはじめ殺菌殺虫剤を撒いたりしていますので、それが溜まって〜という可能性がありますが、この場合は殺菌剤ですので腐る、というよりは乾燥焼けのように干からびる、枯れるという感じになると思うので殺菌剤ではないです。

続いて肥料ですが、うちは液肥を花工場、リキダスなんかの化成肥料とスーパー1(発酵油粕系)、バイオゴールド(鶏糞系)を溶かした溶液の有機肥料を使い回しております。

シャワーで土を洗うように水やりをした後、サーっとジョウロであげてます。

鶏糞系なんかがやはり糞なので溜まったら悪さをしそうに感じてしまいますが、他の300株以上は元気なのでなんとも言えないですね。

 

4はまぁ腐っている感じが違うので割愛です。

 

5も可能性として高いですね。

ぱっと見この感じで思い浮かぶのはサビ病か軟腐病でしょうか。

この株だけなったという点から、管理によってなったというよりこの株が病気になったというのもしっくりくる考えです。

また5月〜7月までは気候も暖かく、カビるんるんも活発なため病気が起こりやすいのもポイントですね。

 

長くなりましたが今回は1.3.5の可能性で対処していきたいと思います。

 

入荷から1ヶ月程度の株ですが、根は元気ですね。

サイズ的にはこんな感じで、もう少し大きければ腐食箇所を切り取って対処できたのですが

今回は小さいので悪い葉は剥ぎ取っていこうと思います。

(一応切り取り方法もやっておきます)

ちなみにカイガラムシの場合も過去の例から剥ぎ取って駆除した方がいいと思います。

 

 

カッターなんかで腐食箇所を切り取ります。

画像ではランセット(医療用ではなく植物用)を使用しています。

 

小さい株なら精密用ピンセットなんかでもいけます。

大型に使ったら曲がりましたが。

 

 

ちなみに病気を仮定して使用する場合は使用した器具は消毒します。

そのためランセットやハサミなどは複数あるといいです。

 

悪い箇所を取ったらこんな感じです。

切り取った時に腐った匂いはしなかったので軟腐病ではないですね。

まぁブヨブヨでもなかったし。

 

その後は殺菌剤に漬けます。

今回は他の作業もしていたので20分以上はつけてしまったと思います。

 

ちなみに使用したのはベンレート。

2Lの水に対して2gの1/1000の濃度で使用しました。

 

しっかりと乾燥させます。

今回は切断ではなく、剥ぎ取ったので実際そこまで乾かす必要はないですが、根茎の切断などは1日以上しっかりと乾燥させます。

 

後は新しい土に植え直して完了です。

 

まとめとしては、腐食箇所を見つけたらすぐに行動を起こしたほうがいいです。

1日2日でちょっと切れば大丈夫だったのがバラさないといけなくなったりするので。

殺菌剤を注文して届くまで〜の間にもどんどん進行していくので殺菌剤は常時ストックしとくのもおすすめです。

特にこの時期やら秋やら、人間が過ごしやすい季節はカビや細菌も過ごしやすく繁殖しているので注意です。

 

最後に今回使用した材料など

 

 

>ランセット

万年青やるのに前に買った兼進のやつです。多分廃盤になっているのと2本で結構高かった気がします。6000円くらい?

ただ切るだけなら100均のカッターを複数使用した方が研ぐ手間もなく良いです。

本当は葉を切るんじゃなくて、芋を切る道具ですが細かいことは良いのです。

殺菌しながら使うのでお店は複数本あった方が便利です。

 

殺菌剤

ベンレート

私のメインの殺菌剤です。用法容量を守って使いましょう。

また小分けのタイプの方が普通に使うならいいです。

今回の用途以外で果樹、球根、草花にも使う方は1種類を連続で使用すると病原菌が耐性がつきやすくなってしまうので

他にもオーソサイド、ダコニール、エムダイファーなど他の薬剤も持っておく方が良いです。

というかサビ病に関してはエムダイファーのが良いです。黄色くなりますが。

散布の場合は定着剤が必要になります。

 

>ビストロン-10(>ビストロン-5

道具の洗浄に使うやつです。

洗浄自体はベンレートでも大丈夫ですが、ベンレートは2日くらいで膜張って黄色くなるし、沈澱します。

熱湯でも良いのですが、使っているうちに冷めます。

こいつは一度作ったら半永久に使えるんでお店としては楽です。が道具は使用前に水洗いが必要です。