初心者向けの質問に

お店ではサンスベリアについての育て方や、どういった土をつかえばいいか、

という質問が多くあります。

 

実はこれ、回答にすごく困る内容で

他の生き物であればAという環境で、Bの感覚で餌をあげてください。と言い切れる場合が多いですが

(訳 その生き物に合わせて環境を変えてください、と言えるんですが)

サンスベリアだと、簡単に言うと今の環境に合わせて育て方を変えてください。となるんです。

 

そしてこの質問をされる方は十中八九初心者の方で、植木鉢の種類の名前も、土の名前も、部屋が乾きやすいのか、日光はどうか、外におけるイメージなんかもないので、なかなかアドバイスがしにくい。アドバイスをしても理想の育て方を追求すると大変で、植物って難しい。てなってしまうのでどこまでつっこんでいいのか。

 

そんなこんなで初心者~初級者向けの育て方を確定申告から逃げている間に少しずつまとめているんですが、アップするのは相当後になりそうで、その間このホームページやっているのか?となってしまうと思うのでこの辺で初心者向けの質問を返していきますので参考にしてみてください。

 

 

Q. 育てやすいサンスベリア(初心者むけ)

A. クレオパトラ。葉がしぼみやすく回復しやすいから水やりのコツをつかみやすい。ロリダ。腐ったことがない。

 

Q. 育てにくいサンスベリア(初心者向けではない)

A. 放射状かつ伸びる品種(ロブスタなど)。邪魔になり、移動などで折ったりするから。タワー型ハイブリッド品種。光に向かって曲がるのでライトの設置などを考えないといけない。グイネンシスマノリン系統。斑が多いのに太陽光が好きで徒長しやすいため綺麗な形で生育させるのが難しい。

 

Q. 育てにくいサンスベリア(購入をオススメしない)

A. 極端に斑の多い未発根株。親株からの栄養で生きていただけで、子株単体で生育するのが難しい場合がある。発根が大変な場合が多い。寒さ、葉水などで突然死することもあり、農薬が使いにくいので立ち枯れ病になったりする場合がある。それを考慮して安く手に入れられれば、うまくいけばラッキーくらいの感覚。

 

Q. 土は何がいいか

A. 培養土(配合済)なら盆栽の土ほぼ一択。(中身は硬質赤玉+桐生砂など。メーカーによる変化が少ないのですすめやすいが値段がちょっと高い)

観葉植物の土、サンスベリアの土、アロエ金のなる木の土などはメーカーによる変化が激しく、ココピートなどが乾いたときに水をはじき、水道(みずみち)を作ってしまうため初心者にはオススメできない。

自作なら水やり4日に1回程度目安で 硬質赤玉土(日向土)5:鹿沼土(軽石)2:富士砂(桐生砂)2:竹炭0.5

すべてふるいにかける。鹿沼土(軽石)は水に浮きやすいので代わりに富士砂(桐生砂)を多めでも、ゼオライトでもよい。

軽いもののみで配合すると、サンスが倒れやすいので日向がメインなら桐生砂をサブなどサンスの形状と相談。

サンスベリアの根に太い根を這わせたいため、微塵は使わない。

鉢サイズ:土サイズ(高さのある鉢は上部 小粒~中粒 下部 などサイズを変えると良いと思う)

~3号程度:小粒3mm~6mm

3~5号程度:中粒5mm~9mm

6号~:大粒9mm~

主材のオススメ:硬質赤玉土。日向土。

副材のオススメ:鹿沼土。軽石(高品質)。富士砂。桐生砂。

どうしても微塵を使いたい場合:川砂。富士砂。矢作砂。

根腐れ防止剤等:竹炭。ゼオライト。

初心者向けではない:矢作砂。寒水石。腐葉土。赤玉土(通常の)。ミズゴケ。ヤマゴケ。

サンスベリアに向かない:黒土。ピートモス。けと土。荒木田土。

浮くから好きじゃないけど使いたければ:バーミキュライト。パーライト。くん炭。

 

正直なんでも育つが、根の育成に関わるので乾きやすく水やりの頻度が多いのが理想

詳細は長くなりすぎるのでまた今度

 

Q. オススメの鉢は

A. 棚の許容重量や管理方法にもよるが、少し重くてサンスベリアが傾いたときに鉢ごと倒れないものが個人的によい。

トレイに並べて管理する場合は水やりで鉢底が水没しないよう足付きのもの(エビネ鉢や万年青鉢など)、受皿で管理する場合は鉢底からの通気を意識して工夫したい。

鉢ごと水につける水やりで管理ならスリット鉢(みどりのやつ)やプレステラなど排水がよく目詰まりしないプラ鉢など。

正直なんでも育つが根の育成に関わるので、鉢が呼吸するタイプが理想

 

Q. 水やりのタイミング、やり方

A. 狙いにもよるが土が乾いてからしっかりとが基本

よくいう土が乾いてからしっかり のイメージをつかむのが大切。

水耕栽培でもできるサンスベリアにとっては正直水をあげすぎても問題ないはずであるが、なぜ乾かすのか。

ひとつ常に根に水がある状態だと根の成長は良くない。細く弱い根になりがち。

ひとつ有機質の土は腐るので注意。黒土や腐葉土、鶏糞くん炭、馬糞くん炭など。

他にもあると思うが長くなるので割愛。なので乾きを与えるのも大事。(カッピカピのまま放置すると休眠に入ってしまうので注意)

しっかりの水やりだが、鉢底から水が出たら~だと培養土の場合、水の通りやすい水道(みずみち)から水が通って流れている場合が多い。

なんというか個人的なイメージでは土の中を洗うイメージで、土の中の汚れや空気を洗い流し入れ替えるイメージで水やりするのが理想。

つまり鉢底からはジャバジャバ水が出るので、受け皿ごときでは受けきれるわけもない。

なので理想は土の表面が乾いて、根が完全に乾く前に、鉢ごと沈めるかシャワーで思いっきり水をやる。

現実は非情である。

 

Q. 育成ライトは必要か

A. 何を目的とするかによる。なくても育つ。ある方が綺麗に育てられる。

ライトがないとタワー型は徒長と曲がりが起きやすい。大葉系統はないとほぼ徒長するが、そもそも葉が長いものとライトの設置が起き場所や距離的に難しい。肉厚なものは徒長しにくいが、ないと成長が著しく遅くなる。

といった具合にサンスベリアのタイプによっても違うし、日当たりの条件、冬季の温度、自分のこだわり具合から設置してもしなくてもよいと思う。。

個人的には高価な株やお気に入りがあれば設置してもいいと思う。

お店がライトで育てているのでこの質問はかなり多い。

 

Q. ライトは性能が良いものがいいのか

A. いいものはいい。

これもよくある質問ですが、多分質問の趣旨は高価な育成ライトを買った方がよいのか?という意味でとらえています。

まあ当然いいものは良く育ちます。ただ昔は蛍光灯で育てたりもしたんでホームセンターの500円程度の電球でも育ちます。

綺麗な白斑を育てたい、大きく早く育てたい、と目標があればより高性能なライトを購入するのもよいですが、育成にこだわりがなく、室内だけで育てていて植物がかわいそうかな、と思う程度なら適当なLED電球でもよいと思います。

白斑のサンスベリアにライトをほぼ直付けのように育てるとなかなか見違えますが、ぶっちゃけそのほかの場合は太陽光のほうが曲がりもなくよく育ちます。

LEDライトだとライトの光源に向かって曲がるので、たまに配置換えが必要です。

 

Q. 肥料は液肥がいいですか

A. 水のやり方と土の配合による。

・鉢を沈めるやり方なら液肥。

・ジャバジャバあげれないけど、慎重にじょうろなどで水をあげるなら液肥。(置肥は乾いて肥料分が浸透しにくい)

・シャワーなどでジャバジャバあげるなら置肥。(液肥でやるのはもったいない)

1年に一度、3月~4月にちゃんと植え替えるなら元肥もいいと思うが、個人的に植え替えないので使わない。

秋に植え替える派はエアコン管理や温暖地ならいいが、寒冷地もしくは断熱性の少ない建物の場合はやめたほうが無難。

赤玉など火山灰土メインの場合はリンが鉄分、アルミニウムと結合して吸収しにくいため花芽を付けた時などにお礼肥など意識する。

日向土など軽石、鉱石メインの場合保肥力がないので直接飲ませるイメージで、基準より薄めで回数を増やす(月に2~3回)

 

液肥(えきひ):

科学肥料(ハイポネックス、花工場など)で十分。山野草などでは突然死すると嫌がる人もいるがサンスは平気だと思う。

天然肥料(東商のスーパー1など)は匂いがするのと少し割高なのでこだわりがなければ使わない。気分的に科学と天然を交互に使っている。使うなら酸性に傾けるものが多いので意識する。

その他微量要素

リキダスで十分。あればいいくらいで効果は目に見えて変わるわけではない。気分はいい。(腐葉土などが分解されたときにでる成分なので、サンスよりも熱帯雨林や日本の山林の地面に自生している植物向きな気はする)

竹酢液(木酢液)なんかよさそうで使っている。くさい。

酸性に傾きすぎないようにアルカリ性の液肥→草木灰を薄めてあげている(Kカリ分)

 

置肥(おきごえ):

科学肥料が無難(マグァンプKなど)。といいつつ個人的には使っていない。盆栽には教科書にマグァンプが載るくらい好かれている。

天然肥料は種類に応じておすすめ度が変わる。鶏糞系(バイオゴールドなど)は匂うのと室内で使うとカビが生えやすいので魚粕系(東商のおまかせ中粒)が匂いもなく使いやすいが、崩れる前に交換が必要(そのまま埋める方もいる)

 

元肥(もとごえ):

やりたいなら化学肥料というよりマグァンプK一択かと。

窒素分がいらないなら東商のらんまんもあるが、いつも混ぜるのを忘れる。

 

追肥(おいごえ):

元肥でやるんなら追肥でサボらず植え替えよう

 

お礼肥(おれいごえ):

花を咲かせてくれるサンスベリアにありがとうの意味をこめてあげる肥料。

赤玉に吸われて不足しがちなリンの補給が主なので、6-40-6という強烈なリンを保有しているマグァンプKがやはりいいんだろうか。

窒素がいらないなら0-19-10のらんまん(わたしはこれ)。

 

 

総括

サンスベリアの育て方(初心者むけ)

 

鉢:楽焼鉢(エビネ鉢、万年青鉢など)や泥鉢、または通気の良いプラ鉢(おおきいプラ鉢なら側面に細かい穴をあけてもよいかも)

 

土:盆栽の土または無機質の粒を揃えた土。

 

肥料:環境がわからないうちは液肥数種類使い分け又は置肥。(生育が悪い場合は減らせるから)

生育環境が良い場合は元肥でもよい。最初は根付いてる状態にもよるが薄めに。

 

置場所:外に出せるなら温暖地(一般地)で最低温度10℃越えの4月半ば~10月半ば 屋外。梅雨明け~9月は南側で直射の場合遮光30%~50%。または東側に設置。

冬季は窓から離し、ライトで管理。室温10℃以上。

 

水やりの感覚:乾いたら水やりだが、1~3月室内でライト育成(サーキュレーターなし)で4日程度持たないと夏の屋外では毎日水をあげても水切れで焼けると思うので春に植え替え、土の配合など見直す必用がある。

夏は春から屋外に置き、水やりの感覚をつかんでおく。起き場所によるがおおよそ2日に1回以上の水やりになると思う(ほぼ毎日)。生長点に水がたまりやすいので水の上げ方を考えておく。(鉢底から吸わせるなど)

 

 

といった感じです。

一般的な事項のみですがこの管理であれば基本は大丈夫だと思います。

(結局なんでも育つんですが)

慣れてきたら自分の育てる環境や、やりたいやり方に応じて鉢やら土やら変えていけばよいと思います。

例)仕事の関係上そんなに水やりできないので水持ちをよくしたい
→土を硬質赤玉+日向土にして水持ちをよくする
→呼吸をしないプラ鉢にする
など
 
 
ただこれは現時点での私の理想なので、現実は違いますが。

 

現実

鉢:セメントの内側に釉薬ありの通気性の悪い鉢、プレステラ。サンスは品種ごとに形状が違うので鉢の統一ができない。

土:硬質赤玉+何か。個人株は店の植え替えで出た廃棄土をふるいにかけたミックス土。店の土は水やり頻度を減らすため硬質赤玉+鹿沼or軽石+富士砂微塵or桐生砂微塵

肥料:気分で液肥を使い分け。大株は置肥も置いているけど水やりが少ないので飾りになっている。

置場所等:家 4月~12月屋外。東側遮光なし住宅の間なので直射はあまりないがすごく育つ。水やり2日に1回。南側バルコニー遮光なし直射水やり毎日。一応焼けはしてないがビカクは焼けているので遮光をすることを強く勧める。室内冬季でも日中20℃ある日もある。エアコン未使用。ライト使用IKEAの1000円のやつ。水やり週1程度。

店 年中店内。ライトIKEA1000円の(絶版)~HASU38までいろいろ。水やり週1程度。

水やり:屋外のものも生長点とか気にせず朝夕関係なしにシャワーで思いっきりやる。一応生長点が腐ったりとかはしてない。店の物は鉢ごと沈めることもある(2日かかる)が、基本はじょうろで水があふれないよう少し慎重にあげる。

デメリット:店の物は土の配合と鉢の通気性により、根の育成がよくない(微塵を使い水持ちがいいので細く、鉢底まで伸びにくい)。個人株も鉢底からしか通気性がないので根が回らずに伸びやすい。

メリット:水やりの頻度が減らせる。植え替えの頻度が減らせる。根の育成は悪いがその分鉢のサイズが大きくならない。

 

 

まあこんな感じで私も理想はありつつも、個人的な作業の限界があるので現実は違います。

こんなホームページのここまで読む人が初心者とは到底思えないのですが、

初心者の方はまずやってみて、自分のやれる範囲(やりたい範囲)と環境でなにか気づいたら少しずつ変えていけば、おのずとちょうどよい育て方になっているかと思います。

 

 

それではよいサンスベリアライフを