植物のタグについて思うこと(更新)
みなさま。
植物のタグは取っておいてありますでしょうか?
サンスベリアは似てる品種も多く、タグを無くしてしまうとその品種がなんだったのかわからなくなる事が多々あります。。。
そのような株を札落ちと言ったはずです。
自分で入荷した株はなんとなく分かるのですが、他人の株になると本当にわかりません。
そんなネームタグですが、お店によって色々な書き方がありますよね。
まぁ、その現状について思うところはあったのですが、最近は流行りに乗っかって植物の輸入販売したり、趣味で始めた植物が楽しくて仕方ないんだな〜って個人販売などが増えてきて、趣味って人それぞれの楽しみ方があるから口出したら駄目だな〜、と思っていました。
私も趣味で楽しんでいたレベルからお店をやっているので気持ちはわかります。
でもうちのネームタグも、個人的にはあまりオシャレじゃないなぁ。と思いながらもちゃんと書こうと思ってやっておりましたが、
オシャレさを求めてルールを無視してるタグとか見るとやっぱ思うとこあるんですよね〜
そういう所って、SNSとかでプレゼント企画やったりとかして人気店!とか私はインフルエンサー!的なことやってる人が多い気がするんで、あえてオシャレにしたくてルール無視してるのかな~とか...
まぁ、ただ単に私がジェラシーからの拒絶反応を起こしてるだけかもしれないですけども。
一応、当店で把握、実施しているルールを説明しておくと、(例ピングイキュラ)
和名 サンスベリア ピングイキュラ
学名 Sansevieria pinguicula
という書き方が一般的です。
学名だけの方がオシャレな気がするんですが、サンスベリアのようなコレクション性のある物は和名(という名のカタカナ読み)をつけておいた方が、おんなじの買っちゃった〜とならない気がするのでつけております。
そして2〜3年ぐらい前はタイに直接買付に行っていた事もあり、
うちの販売植物ってビカクシダとサンスベリアだけじゃなく、その他のシダや塊根植物、多肉植物なんかもあったんですよね。
なのでお店に来たお客様が
サンスベリアって書いてないと、何の植物だかわからないってなるので
和名→サンスベリア ピングイキュラ
となっているわけです。
次に学名ですが、これ、私もまだまだ勉強不足なところもあるんですが
学名は 属名 + 種名(種小名) 表記です。
(属名とか種名って何!?て方は一番下の方に書きますね)
この場合Sansevieriaが属名(今はDracaena)
pinguiculaが種小名
属名はラテン語で大文字から始まるのでSansevieriaと記入。小文字から始まるsansevieriaでは駄目です。
そしてこれはイタリック文字の斜体。Sansevieriaが原則です。
種名は原種系はラテン語、小文字から始まります。
つまりpinguicula。これも原種の場合はイタリック斜体。
pinguiculaになります。
なのでうちのタグ、ピングイキュラは最初の通りになります。
これ、学名だけでカッコつけたいのはわかるんですが、SANSEVIERIAみたいな全角大文字とかは駄目なんですよね。
ちゃんと大文字、小文字にはルールがあるんです。イタリック斜体もルールがあるんですよね。
また、属名は省略することも可能でその場合S.(今はD.)となります。SansevieriaのSにピリオドで省略。これもイタリック斜体です。
Sだけだとほかの植物と混同してしまうかもしれないのでSan.(Dra.)の方が丁寧かもしれないです。
個人的にはこれは学名表記というルールであり、植物のタグは絶対これじゃなきゃダメ!くらい強制力のあるルールではないと思うので、お店によって違いがでるのかな~と思っています。余談ですが。。。
次にピングイキュラ 斑入り の場合
サンスベリア ピングイキュラ 斑入り
Sansevieria pinguicula variegata
和名は割愛でいいですね。
学名にvariegataが追加されていますね。
variegataは斑入りって意味で、variegatidだったりもしますがなんだかんだで文字数を1文字でも少なくしたいのでvariegataにしてます。
そしてこれはイタリック斜体にすると
Sansevieria pinguicula variegataとなり、どこからどこまでが種名なのかわからなくなってしまいます。
そのためvariegataは斜体でもなく、イタリックでもなく書体のvariegataにします。すると
Sansevieria pinguicula variegata
となり、variegataが名前ではなく、斑入りって意味なんだなぁ。となります。
これ、私は前からこう思っていただけで、書体じゃなくイタリック立体でもいいかもしれないです。
次に個体名。
ここから調べると違うことが書いてあったりするので、よくわからなくなります。。
個体名というのは、例えばサンスベリアのバナナ。
サンスベリアのバナナはエーレンベルギーという種小名の中のバナナという品種です。
それを学名表記にすると
S.ehrenbergii 'Banana'
になります。(なると思っています)
これ、私の知識や認識不足なんですが、バナナという名前の原種はないと思っています。
この書き方だとバナナって原種じゃないの!?て思うかもしれませんが、正式な名前じゃなくて、だれかがわかりやすくするためにつけた通称じゃないかな~と。
そのためシングルコーテーションに囲って'Banana’が正解かなと。
その場合Bananaは種小名ではないので斜体ではなく立体。
これ、私は原種だとイタリック、園芸品種なら書体だと思っていたのですが、どっちもイタリック立体でよいかもしれません。
もしもバナナが登録されている正式な種小名なら
S.bananaとなるんですが、ソマリアコンパクトとかソマリアブルーとかいろいろ呼ばれていてわけわからんので、上のものにしました。
なのでサムライ、サムライドワーフなどは
S.ehrenbergii 'Samurai'
S.ehrenbergii 'Samurai Dwarf'
シングルコーテーションで囲まれている中は個体名になるので
これはエーレンベルギーのサムライって個体名とサムライドワーフっていう個体名ってことになります。
もし、種名としてサムライなどが学名登録されている場合は、種名は_(スペース)で飛ばすことはできない(はず)なので
続けてD.eherenbergiisamuraidwarfもしくは-(ハイフン)で続けてD.ehrenbergii-samuraidwarfと表記しなければいけない(はず)です。
この場合も種名としての表記なのでイタリック斜体(小文字)表記ですね。
さらにここでめんどくさいのが(興味がない方は飛ばしてください)
学名としてバナナなどの名前が(種内分類群)の学名だと表現が変わります。
(種内分類群)がわからない方はたぶん属名とか種名もあれなんで下の方にまとめて書きたいと思います。(頑張れれば)
簡単に言うと、バナナ、サムライ~なんかは学名じゃなくて、タイ人がつけた個体名なので
D.eherenbergii'Banana'もしくは'Samurai'
としたわけなんですが、(Bananaが大文字、立体)
学名としてエーレンベルギー種のバナナですよ。となると
D.ehrenbergii subsp. banana
になると思います。もうこれ自信がないんですが、
種の亜種になると(エーレンベルギー種の中の亜種)
種名+subsp.(亜種ですよって意味ssp.でも可ですがなれるまではsub sp.のほうがいいです)+亜種名(種名と同じ字体)
という意味になります。
種名の後につく表現として
ssp. subsp.亜種
ver.変種
sub ver.亜種の変種(ここでsubがでてくるのでssp.の意味に慣れるまではsubに気を使いましょう)
f.品種
sub f.亜品種
これはもう私は使わないです。
エーレンベルギーの中で作られたバナナという品種であれば
D.ehrenbergii f. bananaと表現するのが正しくても、D ehrenbergii 'Banana'で通じるので植物タグでは使わないです。
ssp.亜種とver.変種の違いもややこしいんですがサンスベリアの中で ver.が付く有名なのは
キルキーのコッパートーンで
Sansevieria kirkii var. pulchra 'Coppertone' variegata
とうちでは表現しているんですが、これどっからかひっぱってきた情報を私がちょっといじったのかな~
と今見ると思います。
まず、kirkiiというのは発見した人名から取られてるって前にタイ人が言ってたんですが、
その情報を鵜呑みで一緒に考えてください。
まず亜種、変種っていうのを定義上で考えたことがないのですが、
例えば一つの群の中でたまたまできた変異種の事は変種。
例えばソマリアで見つかったバナナとタンザニアで見つかったバナナが異なる性質があったら亜種(本当はロカリティタイプだと思うんですが話が進まなくなるので無視してください)
と思えなくもないです。
キルキーという人が見つけた種のプルクラという変種のコッパートーンという個体名。
今の私にはこれは違和感が強いですね。
キルキープルクラコッパートーンとキルキーシルバーブルーが同じ品種で、その変異個体とは思えないですし、
他のキルキーメタリックなどもキルキー種プルクラ変種から派生したものとなると
Sansevieria kirkii var. pulchra f. coppertone
なんかしっくりこないというか、違和感があるのは私がプルクラの元となったキルキーを知らないからですかね?
この辺のキルキー事情を知っている方がいたら情報が欲しいです。
個人的に納得できるのは
Sansevieria kirkii-pulchra ver. coppertone
という感じですね。
これであればコッパートーンの部分をメタリックシルバーなどに変えるだけで
キルキープルクラの赤さび色に変異したもの~やシルバーに変異したもの~という意味です。
スーパークローンは
Sansevieria kirkii-kirkii ver. superclone
というかんじですかね?
とりあえずSansevieria kirkiiという種が私の前に出てくるまではこっちのほうがしっくりくる気がします。
ちなみにシルバーブルーはbhitalae種のはずだ。今年論文を発表する。サンスベリア界隈は驚くだろう。とバリー氏が去年言っておりましたが、忙しくて論文まだ読んでいないのですが正式に bhitalaeになったんでしょうか?
海外の大きいシルバーブルーもドラゴンキングみたいだから個人的にもbhitalaeだと思っているので、うちのタグはbhitalae 'Silver Blue'でやっちゃってますが。冬くらいに落ち着いてまた勉強しないとですね。
なんか書いていて思ったんですけど、これ終わりが見えないので
そろそろ〆たいと思うんですが
もう先にアップしてますけど新しいタグを作っています。
サンスベリア属がドラセナ属に統合されたので、いい機会だな~
っていうのと、基本もうビカクかサンスくらいしか扱わないので
サンスベリア バナナ みたいに属名を和名記入しなくてもいいかな。っていうところです。
あとはタグの一番後ろに acacia っていうロゴをつけさせてもらっているんですが
これがサンスの名前の長さによって位置が変わるのも嫌だったんですよね。
なんで新しいタグは和名は横書き属名なし
学名はDracaena属 種名’個体名’という感じに統一します。
種名が小文字からで斜体なら原種系。大文字からで立体ならハイブリッドです。
あとは原種の原産地記入。タイ便、インドネシア便記入。(タイを経由してもインドネシアから取り寄せた場合はインドネシア便と記入しようかな~と)
フォントは日本の論文でおなじみの
日本語がMS明朝(に似てるかっこいいやつ)
ローマ字がTimes New Romanでいこうかなと。
まぁ~余計なことが増えたのでミスすることもありますが、タグはあくまでもサービスなので許してください。
クレームがあるようならやめます。
サンプルはもう投稿しているほうに出ているのでそちらを見てください。
これピーンと来た人は虫とか魚とか飼っていると思いますが
標本やはく製につけるタグがそのままのモデルですね。
生き物だとver.とかsub sp.とか使わないから藻類・菌類・植物は難しすぎる。
あと有識者の方、なんか間違っていたら教えてください。
たまーに自分でもなんじゃこりゃっていうの見つけたりするとがっかりしているんでやさしくお願い致します。
あと、これを見て植物の学名とかに興味が出てしまった変態さんは
この本を見て勉強することをオヌヌメします。
2024年更新だったと思うのであれですが、オヌヌメです。
私のはほら。超綺麗なので察してください。
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追記)店長日記の方で書くつもりがお知らせに書いていたことに気づき、コピペしたんですが、フォントまでは反映されなかったので、フォントが一部イタリック斜体になっていないかもしれません。
人生うまくいかないですね。
属名とについてはまたやる気が出た時にやります。